2011年6月21日火曜日

イチゴ収量、ソルゴー生育、土壌診断結果





単棟ハウス ソルゴー生育状況
連棟ハウス ソルゴー生育状況
上の写真はソルゴーの現在の生育状況
単棟播種は6月3日
連棟播種は6月6日

播種時期は単棟の方が早かったが生育状況は連棟の方が旺盛。
葉の緑色も連棟の方が濃い。
連棟と単棟の違いで差が出てきているが、この前のイチゴの管理も含めて生育状況の違いについて考えてみる。
生育の違い、葉の色の違いを窒素の影響と仮定して考えてみる。
先ず、土壌診断結果から
単棟の硝酸態窒素の残存量 0.5mg/100g乾土
連棟の硝酸態窒素の残存量 3mg/100g乾土

あぁ、やっぱり窒素の残存量が違うから生育量も違うんだね。
早くも結論が出てしまったとさ。
ちゃんちゃん。


これで終わっても良いがもうチョイ考える。
では、同じ施肥管理をした連棟と単棟で窒素の残存量に差が出たのか?

ほぼ前年までと同等の施肥管理をしてきた単棟は、例年通りほとんど窒素の残存はなかった。
と言うことは、今年初めて挑戦した連棟で窒素が残ったのは何故か?

まず考えられるのは高畝にしたことで肥料が畝側に集中したため吸いきらずに残った。
(連棟で連続畝利用する場合、施肥量は通常の施肥量の2/3~1/2で良いとされているから)
しかし、BB農園の施肥量(主に窒素)は、
有機物主体で無機化率(推定)を考えてもNとして15~20kg/10aだから
埼玉県の施肥基準N30kg/10a(平成元年版・・・改訂されてないって微妙だけど参考まで)
と比較しても多い訳ではない。

窒素の残存量だけでは議論にならないので、イチゴの収量からも考える。
単棟 4.6t/10a(記録を取った4棟の平均値:4.2~5.0t/10a)
連棟 4.2t/10a(連棟は2等分して記録した平均値:両区とも4.2t/10aとバラツキはなし)
収穫量として同等程度から最大800kg/10aの差が出ていた。

収穫していた時の感覚より差が出てビックリ。


連棟はそれまで、単棟だったところを建直しており、栽培歴から見ると単棟に劣るとは考えにくい。
むしろ記録を取った単棟のうち3棟は栽培歴が短く、前年まではこの3棟の方が劣っていた。
栽培歴
単棟
記録を取ったウチの3棟は10年、1棟は25年
連棟 
建直す前までの栽培歴を含め、25年

栽培歴を考えて収量を再びわけると
単棟 10年              4.2、4.5、4.7t/10s
単棟 25年              5.0/10a
連棟 25年(単棟期間も含め)  4.2t/10a

当初の予想では10年単棟が一番少なくなるだろうと思っていたので、連棟の収量は予想より少なかった。
つまり、収量が少なかった分だけ窒素が吸収されずに残存した事になる訳だ。

収量の観点からも窒素の残存は納得できる結果なわけだ。
では更にもう少し考えてみる。
連棟ではなぜ収量が単棟より少なくなったのか?
まず連棟と単棟の生育環境の違いから比較
栽培期間中の環境
温度 : 連棟は単棟に比べ、暖房有りなので温度は高めになり生育としては+
光量 : 連棟は単棟に比べ、光線量が影になる部分(カーテンや屋根の谷間で影ができる)が多くやや-?
炭酸ガス : ちらも焚いていたので違いは少ないだろう。
追肥・潅水 : 同様に管理なのでこちらも違いは少ないだろう。
環境面では、光線量が気になるところだが、それ程の違いはないのではないか(感覚的)。
光線量は今年のデータがないので来年記録したいところ。

もう一つ気になる違いがあった。
それは苗の定植時期と定植した苗の状態
単棟 8月28日から9月3日まで
連棟 9月21日から9月27日まで
この違いが結果的に苗の状態の違いに反映される。

単棟 未分化苗(花咲く準備まだで、定植してある程度生育が進みながら花が咲き実がなる。)
連棟 分化苗(花の咲く準備完了、定植後の生育は未分化苗より少ないまま花が咲き実がなる。)
定植初期の生育が全く違い、連棟の方が分化してたため早くから収穫が始まった。
また、収穫期の1月の収量が連棟でやや落ちていたのが最終的な差になっていた。
 
以上を考えると、連棟に定植された分化苗は単棟に比べ、定植初期の生育が劣り充分に窒素の吸収ができずに、初期の株の充実が十分ではなかった可能性がある。
結果的に、1月に株が休んでしまい5月20日の収穫終了までに挽回できず、イチゴ収量は予想より減り、窒素が残存し、ソルゴーの生育量が連棟の方が良かったのではないかと考察。

以上が、一番最初のソルゴーの生育量の違いから、イチゴ収量、土壌診断結果、イチゴの生育などを含め考えた、2010-2011シーズンの考察でした。
強引な部分が多々あるかもしれないが、イチゴ栽培歴2年が終わった現状と過去の経験値からの考察でした。



では更に来シーズンへ向けて、この考察を検証するためには、
①連棟ハウスでも、8月末から9月初旬に未分化苗を定植し、従来からのBB農園の未分化稚苗定植管理を実践してみる。
②分化稚苗を植える場所も作って比較してみたいところ。
③事前に充実した分化苗をつくって植えるのも試したいのでポット育苗も挑戦中(今のイチゴ屋さんの育苗の主流はこっち、苗の管理はこっちの方が大変)
来シーズンの連棟は①が主流になり、②と③も一部比較対象として取組みたいところ。

苗はこんな感じになるだろうが、来シーズン連棟では連続畝利用栽培も平行して試してみる。
連続畝利用栽培についての詳細はまた改めて。

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