2011年5月17日火曜日

土づくりについて考える。

今シーズンもあと僅かなイチゴの出荷。
今シーズンが終われば直ぐに来シーズンのことが始まる。
実際、苗の準備は既に始まってる。

そんな中先週のイチゴ部会の会議で、
BB『堆肥は次シーズン注文しません』
と発したことが発端となり、イチゴ部会での土づくりについて議論になった。

今週も続く意見交換や提案。

ウチの出荷組合は、堆肥や有機質肥料を利用した”土づくり”を合い言葉に安心安全そして美味しい野菜をうたっている。

イチゴ部会では堆肥の投入量だけを決めていた過去がある。

過去というのは、以前は統一した堆肥を”何となく”1t(50袋)/10a必ず投入という基本ルールがあった。
しかし、ある時、流通の関係でその堆肥が購入できなくなり、他の幾つかの堆肥に生産者各位が選択という事になり、種類や投入量が曖昧な状況になった。
それでも、50袋/10aが形骸化していた。

そのような状態でBB農園の土壌診断(全国土の会土壌診断システムによる分析結果)をすると
養分過多と診断される。
人間で言うメタボ状態である。
養分過多による弊害は現在出ていないがこれ以上養分を増やすメリットは全くない。
ウチのイチゴの評判は良いし、直売所ではひいきにしてもらってる方もいる。
しかし今後、収量や品質を落とす可能性すらあると考えている。

このような現状はイチゴ部会全体にも言える。

現在、当イチゴ部会のイチゴの評価は高い。
今シーズンも最後まで順調に取引が続いた。
これは、これまでの部会の統一した”土づくり”の賜でもある。

しかしながら、その反面、イチゴの養分吸収以上の養分供給により過剰にしてきた原因でもある。
従来は堆肥は養分の供給源として見られてこなかったが、今の常識は『堆肥中の成分も養分の供給源になる』である。
しかし、なかなか農家に受け入れられない現状もある。

エコや循環といったキーワードが取りざたされる昨今、メタボ土壌は必ずしも歓迎されない。


そこで、こらまでの試験してきた結果などを基に、今回は堆肥に限定して
①堆肥の施用を見直したり、施用量を土壌養分に合わせて変更させてはどうか、
②堆肥の替わりに、栽培語しばらく無作付けになる40日で緑肥を作って鋤き混んで有機物施用としたらどうか、
③堆肥に比べ成分の低い麦わらなどを、そのまま利用しても良いのではないか
など提案してきた。
部会として統一した方法を摂ることは、管理や品質を安定させるためには必要である(だから以前のルールがあった。)が、
個々の土壌養分の状態に合わせて、有機物の方法を変えると言う選択肢も必要だと思う。
そういったルール作りをすることで、組合員全体の土壌状態や野菜の品質を安定させられると思う。


ちなみに、有機物無しという選択は今のところ無し。施設栽培では、有機物の消耗(有機物は微生物が活動のために消費する)が激しいし、ウチの土壌は物理性の改善、主に水はけの改善が必要のため、有機物は必要と考えている。
養分は多いから、なるべく入れたくないというジレンマもあって、堆肥よりも養分供給量が少ない、麦わらや緑肥の栽培・鋤き込みを試している。
だから、堆肥や有機物を否定していないけど時折否定してると思われることもある。
この辺は説明をもっとしっかりしないといけない。


今回の提案は、それなりに手応えはあった。
これからの第一歩にはなったかな、今後も前進させたい。
組合全体で取組んでいる以上、好き勝手もできないから、時間がかかっても、これまでの知識やデータを基に今後も提案して、換えるべきところは換えていきたい。
それに、意識の高い先輩農家からは、色々意見ももらえるから考え方を客観的に見る機会にもなる。



最後に僕の目指す土づくりは、資源の循環がキーワード。
↓イメージはこんな感じ
その方法で美味しいイチゴを作り続けることが仕事。
そして、次の世代へ良い状態で土壌資源を次の世代へ引継ぐのが使命。


長くなりましたが、つたない文章最後まで読んで頂きありがとうございました。

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