2011年3月9日水曜日

10年と25年の違い

う~む、イチゴの収量は今落ちてますね。
平らに収穫を続けるというのは難しいことです。
ウチはまだまだ技術、そして食味に収量にのびしろはありそうだ。


収量が少なくなってる分、出荷後に余裕があるわけです。
今日は、明日収穫休みもあって収穫後、ハダニ、アザミウマ対策で農薬使いました。
これから暖かくなると、色々と問題が起きる面もあるので対策です。

農薬に関しては賛否あるかと思うけど、必要な部分では用法・用量をきちんと守って使っております。
今の所、ハウス栽培を行ってる管理上最低限の農薬使用はやむなしと考えております。
ちなみに12月後半から~2月中旬までは農薬は使わなかったけどね。
天敵とかも使ってるけど、まだまだ使い方試行錯誤中です。

さてさて、一気に全部のハウスにできないので、順繰りと使います。
そんなわけで、他のハウスでは株の手入れも。


チョット観察していて改めて感じたことがあるので記録しとく。


以下、長いし専門性が強いですが悪しからず。
こういうの、池上彰的にわかりやすく説明できるようになりたい門です。


ウチのイチゴハウスは、
・今年連棟に建て直したハウス(履歴的には25年くらい栽培してたとこに建直した。)
・イチゴ連作25年の単棟パイプハウス
・イチゴ連作9年の単棟パイプハウス(最近ソルゴーも入れてるので輪作かな。)
・イチゴ連作5年の単棟パイプハウス(それ以前は梨を作っていたところ。)
と、いくつか分かれているわけです。
しかしながら現状では作業の効率性などもあり基本は同じ管理。

そこで10年ハウスと25年ハウスの現状を比べてみた。
まずは10年


こっちは25年

わかりづらいけど25年の方が樹の勢いが良いんです。
定量的に判断できないところが微妙ですが、ほぼ間違いない。

やはり長期の管理、土づくりの賜と考えております。

ウチの土壌は粘土が強かったりで有機物の利用による物理性の改善は欠かせない。
それは親父も十分承知で長いこと堆肥とか麦わらとか有機物使ってきたんだよね。

結果的に、物理性が改善されてることは間違いない。
昨年の作のあと、土壌調査で断面掘ったときの根の張り方が違ってた。
もちろん25年側の方が根の伸張が良かった。
作土の団粒化も同様に良好
そして、水はけも良くなってると思う。

こういった理由もあるだろう。

そして、もう一つ。
それは、可給態窒素の発現について。
地力窒素ともいわれてて、有機物の施用などにより土壌に蓄えられた有機態窒素の発現量について。

土壌に施用された有機物は、微生物により分解され、そこに含まれる養分が植物に供給されるようになる。
最近は有機態でも植物に利用されると言われることがあるが、ボクは無機態まで分解されて利用される方が圧倒的に多いと考えてます。
前者については、まだ十分に明らかにされてないからだけどね。
そして、その有機物は1作、または1年で全て分解されない。

食べ物に消化が良いもの悪いものがあるように有機物の種類によって分解にかかる時間が異なる。
特に樹の枝とかが原料になる堆肥などは、畜ふんを多く含むものに比べ時間が余計にかかる。

イチゴが栽培されてる間、使った肥料の他にも、こいつが徐々に使われてると考えてる。

ウチは以前、マスター学生の頃くらいの時までは樹のチップなどからなる木質系の堆肥をよく使ってた。
その後、ここ5年は堆肥は種類を変え、量もかなり減らした。
そんなこともあり25年ハウスは、
可給態窒素の貯金が10年ハウスよりあるのではないか、
長期に木質系有機物入れてたからそういった有機物を分解するのが得意な微生物性になっていき有機物の分解力もいいのではないか、
などとも考えております。
前者は概ね間違ってないと思うけど、
後者はあくまで推測(かなりね)。

ということで、今年普及員さんにも頼んで可給態窒素の発現についてチョイと調べてます。
まぁ今年だけで、どうこう言える結果が得られるとは思いませんが何か得られたら良いなと。

うまくいけば10年と25年、15年の差を少しでも縮められるかな。


こんなことを考えたり観察しながら単調な収穫を楽しくやってます。
考えに集中しすぎて収穫に時間が掛かり過ぎないようにしないとだけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿